ちょろぎとは
おせち料理のレシピは100年以上も前から伝わっているものも多いため、普段は食べないような食品が見かけられることもあります。
毎年おせち料理を食べるたびに、「あれはいったい何だろう」と疑問を持つ食品の代表格が「ちょろぎ」ではないでしょうか。
ちょろぎは、黒豆の上に乗っている、赤い不思議な形をした食べ物のことです。
食べてみても特に特徴のない味のちょろぎを、子供の頃から不思議に思っていた人も多いはずです。
ちょろぎの意味
赤いものが「ちょろぎ」という名前だということは知っていても、大部分の人はちょろぎがどういう意味なのかを知りません。
ちょろぎは漢字では、「長老木」「長老喜」「長老尊」「千代呂木」などと書きます。
ちょろぎはシソ科の多年草で、中国が原産です。
おせち料理に使われるのは塊茎の部分で、ちょろぎ自体は白い色をしています。
収穫して時間が経つと白い色が黄色っぽく変化してくるのが特徴で、おせち料理に使う際には梅酢やシソ酢に漬けて赤く着色します。
ちょろぎは中国からヨーロッパにも渡り、フランスではサラダやクリーム煮として食べられることが多いようです。
フランス語でちょろぎは「Crosne du Japon」と呼ばれており、「ジャポネーズ(日本風)」と呼ばれるフランス料理には必ずちょろぎが付け合わせでついてきます。
ちょろぎの選び方と保存方法
ちょろぎは収穫したての時は真っ白なので、購入する際にはできるだけ黄色っぽくなったものではなくて白いちょろぎを選びます。
収穫時期は11月〜12月なので、お正月が近くなると入手しやすくなります。
ちょろぎを購入する際には、大きめで丸みのある、ふっくらとしたものを選ぶようにしましょう。
本来であれば買ってきてすぐに調理するのが理想的ですが、何日間か保存しておく場合には新聞紙で包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫に保管するのがおすすめです。
ちょろぎは土の中に埋めておけば、長期間保存することも可能です。
最初に手っ取り早く塩漬けにしてしまえば真っ白な状態で保存できます。
保存用には15〜20%程度、梅干しを作るときと同じくらいの量の塩に漬け込んでおきます。
食べる時には、水で塩抜きをすればいいだけです。
ちょろぎはそれほどたくさん食べるものではありませんし、わざわざ生で買って調理する時間がないというのであれば、パッケージ詰めされた梅酢漬けを買う方法もあります。
ちょろぎはおせち料理の飾りとして使う他に、サラダやマリネに入れると見た目にもアクセントになり、食卓が楽しくなります。
クセのない味なので、天ぷらや炒め物の素材として使うこともできます。
火を通すとホクホクとしたユリ根のような食感で、おせち料理とはまた違ったちょろぎの美味しさを実感できます。