伝統が失われつつある

大晦日は「家族揃って、紅白歌合戦を見て、除夜の鐘を聞きながら年越しそばを食べる」
お正月は「御節料理を食べて家族で過ごす」
といった日本の伝統的な風習が、時代の流れとともに、失われつつあります。

現代社会では、共働きの家庭も増えており、また昔のように年末年始をきっちり休める職業ばかりではなくなっています。
大晦日も元日も仕事という人も珍しくありません。

一昔前は、御節料理を作るための食材の買い出しに市場に行き、各家庭で御節料理を作り、新年を迎える準備をしたものです。
最近では、仕事などで忙しく、御節料理を作る時間はないが、お節料理は準備したいという家庭で、市販の御節料理を購入することが増えているようです。

御節料理は高級

市販されている御節料理は、有名レストランやホテルのものは当然ながら、あまり有名でないお店のものやお弁当屋さんでも数千円~数万円するなど、高級品となっています。

高級料亭の販売する御節料理となると、十万円から三十万円、それ以上の金額で販売されているケースもあります。
御節料理は「一年間幸せに過ごすことができるように」との意味を込めて作ったり、食べたりするものですから、高額でも良いものを購入したいとの心理が働くようです。

基本的に高額となっているため、「なぜ、御節料理はあんなに高いのか」といった声を聞くことがあります。
材料費も高額となり、在庫を抱えるわけにはいかないため、受注数だけを年末に作るはずですから、人件費もかかります。

御節料理は本来、家事をしなくて良いようにと数日間は保存がきくものが多かったようです。
家族全員でもすぐに食べきることは出来ませんので、数日分の食費であると考えることもできます。
高額でも売れる理由は、このあたりにあるのではないでしょうか?

様々な高級御節

日本に古くからある御節料理だけでなく、近年では様々な種類の高級な御節料理が販売されています。
ここでは従来の御節料理以外の高級な御節料理を紹介します。
高級レストランやホテルなどが販売している高級な御節料理に「洋風おせち」と呼ばれるものがあります。

オマール海老やキャビア、ローストビーフなど高級食材が重箱に詰め込まれ、見た目も豪華で華やかな御節料理です。
洋風と一括りにしたものでなく、フランス料理のレストラン等では「フレンチおせち」なども販売されています。

洋風でも和風でもない「中華おせち」も高級中華料理店などから販売されています。
フカヒレやアワビなどの高級食材が詰め込まれています。
中華料理は日本でも老若男女問わず人気がありますから、様々な層から支持されています。
毎年、違った御節料理でお正月を楽しむことで、幸せな気分で一年のスタートをきることができるのであれば、少し高額でも値打ちがあると感じるかもしれません。