ゆりねとは

おせち料理には、いつもは食べない珍しい食材が登場します。
その中でも見た目が美しく、しかも味が上品なゆりねは、一度食べるとクセになってしまう人も多いのではないかと思います。

ゆりねは文字通り「百合の根」のことで、タマネギやニンニクなどの仲間です。
百合の根といってもすべての百合の根っこが食用になるわけではなくて、料理にはアクの少ないコオニユリやオニユリ、ヤマユリ、カノコユリなどが使用されます。

ゆりねは非常に希少な食材で、お値段の方も1kg3,000円〜10,000円が相場です。
ゆりねが高価なのは、植え付けてから収穫するまでに6年もかかるからです。
しかもゆりねを一度収穫した畑では、7年間はゆりねを植えることができません。

収穫されるのは秋から12月にかけてですから、お正月料理にはぴったりということです。
ゆりねは花びらのように重なっており、「歳を重ねる」「和合」などの意味合いがあるとされています。

ゆりねの効能

ゆっくりと時間をかけて育つだけあって、ゆりねにはさまざまな優れた効能があります。
カリウムが豊富に含まれていることから、体のむくみをとって血圧を下げてくれるだけではなく、葉酸が貧血対策にも役立ちます。

葉酸は妊婦にとっても非常に大切な要素ですので、女性はゆりねを積極的に食べたいものです。
水溶性食物繊維が多いのもゆりねの特徴で、血糖値が急上昇するのを抑え、コレステロールを排出する助けをしてくれます。

ゆりね料理の作り方

ゆりねは火の通し加減によって食感が変わってくる食材なので、好みに応じてさまざまな調理方法を楽しみたいものです。
おせち料理ではゆりねを茶碗蒸しや含め煮にすることが多く、いずれも優しい食感なので、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層にぴったりです。
茶碗蒸しに入れることの多い銀杏は香りに癖があり、好き嫌いも多いので、銀杏の代わりにユリ根を入れれば誰でもおいしくいただくことができます。

ゆりねは一枚ずつはがして茶色くなっている部分は切り落とし、丁寧に水洗いをします。
お酢を入れた熱湯で軽く茹で、ザルにあげればゆりねの下ごしらえは完成です。

ゆりねのきんとんも簡単に作れるので、一度挑戦してみると良いでしょう。
材料はゆりね2個(250〜300グラム)に対して砂糖が50グラム、塩ひとつまみです。
酢を入れたお湯でゆりねを茹でたら熱いうちに裏ごしをし、砂糖と塩を加えて焦がさないように練ります。
砂糖にはビートグラニュー糖を使用すると、真っ白でキメの細かいきんとんが出来上がります。

ラップにきんとんを50グラム程度乗せて、形を整えれば出来上がりです。
お正月でごちそう攻めの時などは、あっさりして滋養のあるゆりねのきんとんがぴったりです。