御節料理は華やかなだけでなく、栄養もたっぷり

御節料理は正月に食べるため、見た目に華やかさが感じられる盛り付けになっていることが多いです。
見た目が鮮やかだと食欲が増すだけでなく、「これからの1年を頑張ろう」という前向きな気持にもさせてくれます。

彩り豊かな見た目をしている御節は、単に華やかなだけでなく栄養もしっかり考えた内容となっているのは知っていますか?
御節とは、三が日に料理をしなくていいようにと日持ちが目的で作られてきた日本の伝統料理ですが、数日食べる分栄養についてもしっかり考えられているんです。

黒豆や数の子など、しっかり栄養を摂れる食材が満載

御節に含まれている代表的な食材として、まずは黒豆があります。
黒豆はビタミンやミネラルが豊富に含まれているほか、「アントシアニン」という成分もたくさん含まれています。
アントシアニンとは赤ワインにも含まれる「ポリフェノール」という物質の一種で、体内の酸化を防ぐ「抗酸化作用」があります。
また、視力の健康を保つことも期待できるため、黒豆は甘くて美味しいだけでなく、とても体に良い食材と言えます。

次に数の子も御節によく使われますが、数の子には「DHA」や「EPA」という物質が含まれます。
DHAはドコサヘキサエン酸の略で、不飽和脂肪酸と呼ばれる物質のひとつです。
油状になっていて、構造は二重結合という結合を含んでおり、これが不飽和の由来となっています。

DHAは必須脂肪酸と呼ばれるもので、体にとってなくてはならない物質です。
ただ、必須脂肪酸は体の中で合成することはできないため、食材を食べることで摂る必要があります。
つまり数の子を食べることで、DHAを補給することができるのです。

次にEPAは、エイコサペンタエン酸の略です。
EPAは、体内に存在するコレステロールの排出を促進する働きがあります。

エビや昆布も栄養分豊富

また、御節にはエビや昆布が入っていることも多いです。
エビは御節の見た目を華やかにしている食材ですが、長寿を願う意味があります。
エビは曲がるような形をしていますが、これは「腰が曲がってくるような年齢まで生きるように」という思いが込められています。
さらにエビの赤色は邪気を払う色とされており、この意味でも縁起の良い食材です。
エビの主な栄養は、タウリンやビタミンEです。

最後に昆布ですが、昆布は「よろこぶ」という言葉に由来しています。
喜びをもたらす願いを込めて御節に入っていますが、食物繊維やミネラルをたくさん含んでいます。
昆布は体も喜ぶ食材なのです。

このように御節料理は見た目が美しいだけでなく、さまざまな栄養が含まれています。
それぞれの料理をまんべんなく食べると、体に必要な栄養も同時に摂ることができます。
ぜひ楽しく健康的に、御節料理を食べてください。