「縁起を担ぎ、めでたさを重ねよう」
お正月料理と言えば「御節」ですが、一般的には重箱に詰められています。
御節と聞いて、まず思い浮かぶのは、この重箱に詰められている料理だと思います。
「何故、重箱に詰められているのか?」
こんな疑問を持った事は無いでしょうか?
御節を重箱に詰める様になったのは、明治時代以降ですが、元々これには意味があります。
その意味とは「縁起を担ぎ、めでたさを重ねよう」との願いを込め、段重ねの重箱に詰めているのです。
もう一つの説としては、たくさんの料理を用意する御節でも、重箱に入れておけば重ねて保存が出来るので、場所を取らないと言う理由です。
蓋があってホコリやハエから守れたことも、御節を重箱に詰める理由の一つと言われています。
重箱の段数
最近では核家族化や少子化の影響で、三段重ねの重箱の御節がポピュラーな様ですが、基本的には四季を表す、四段が正式な数になります。
しかし地方によっては、五段重と言うのも珍しくありません。
御節を詰める重箱には、「一の重」、「二の重」、「三の重」、「与の重」があり、「与」は本来「四」が正しいのですが、昔から「四」は「死」を連想させるので縁起が良くないと言われ、「四」の代わりに「与」という字が使われています。
各重には盛り付ける料理が決まっていて、一の重には「祝い肴三種」を、二の重には「口取り」と「酢の物」を入れます。
三の重は「海の幸」、「焼き物」が入り、与の重には山の幸の「煮物」を入れます。
五段重の場合は五の重は控えの重で、空になっている場合が多く、これは現在が福や富で満杯の状態ではなく、将来発展繁栄し、更に富が増えて、重箱に入れる余地がある事を表している様です。
重箱の段数にも縁起を担ぎやお願い事が込められているのが、興味深いですね。