八幡巻きとは
おせち料理は、作り置きのできる味のしっかりしたものが基本です。
大晦日に作っておけば元旦に手濡らさずで食べられるメニューをいくつか用意して、元旦の朝はゆっくりと迎えましょう。
お正月でもお肉が食べたいという人におすすめなのが、八幡(やわた)巻きです。
八幡巻きというのはごぼうなどの野菜を肉や魚で巻いた料理のことで、名前の通り、京都府八幡市でよく作られる郷土料理です。
八幡市では古くからごぼうが生産され、また、うなぎも取れたことから、下味をつけたごぼうをうなぎで巻いたものがよく作られていました。
家庭で作る場合には、うなぎではなくて扱いやすい牛肉や豚肉、鶏肉などがよく使われます。
ごぼうは地中深くに真っ直ぐに根を張る植物なので、縁起の良い食材としておせち料理では好んで使用されています。
野菜を巻いてロール状にするため、見た目も華やかで、お客様のおもてなし用お料理としてもぴったりです。
八幡巻きの作り方
八幡巻きを牛肉で作る場合、すき焼き用の肉を使用すれば形がきれいに仕上がります。
ごぼうは最初に皮をこそぎ落とし、牛肉の幅よりも長めに切って水にさらしておきます。
人参も、皮を剥いてごぼうと同じ長さに揃えて切ります。
ごぼうと人参をフライパンに入れ、水と塩を加えて柔らかくなるまで煮たら、お湯を捨てて粗熱を取っておきます。
牛肉を並べて広げ、ふるいを使って小麦粉をふりかけ、ごぼうと人参が市松模様になるように乗せ、きっちりと巻いたら外側にも小麦粉をまぶします。
フライパンを熱してごま油を入れ、野菜を巻いた牛肉を入れましょう。
この時、合わせ目を下にすると巻きが崩れることがありません。
全体に火が通ったら醤油とみりん、砂糖、酒を合わせた調味汁を加えて加熱します。
粗熱が取れたところで、食べやすい大きさに切り分ければ完成です。
八幡巻きはごぼう以外に、大根やアスパラガスなどの野菜を使っても美味しくできます。
薄切りの牛肉ではなくて鶏もも肉を使う場合には、ごぼうと人参を巻いた後にしっかりとタコ糸で縛って型崩れするのを防ぎます。
味付けに味噌を使えばまた違う味わいになりますし、デミグラスソースで整えれば洋風の一皿が出来上がります。
おせち料理が続いて、和食に飽きてきた頃におすすめのレシピです。
あっさりと仕上げたい人は、八幡巻きを油で炒めずに蒸し器で蒸して、ポン酢とめんつゆでいただくのも良いものです。
蒸し器で蒸す場合には、ラップで包んでおけば型崩れしませんし、洗い物の手間も省けます。
お肉で巻いてあるので野菜嫌いの子どもでも無理なく食べることができますし、作り置きができるのが八幡巻きの大きなメリットです。
豚肉を使って野菜を巻く時は、中までしっかりと火が通るように気を配りましょう。